わたくしといふ現象は
わたくしといふ現象は
仮定された有機交流電灯の
ひとつの青い照明です
(あらゆる透明の幽霊の複合体)
風景やみんなといっしょに
せはしくせはしく明滅しながら
いかにもたしかにともりつづける
因果交流電灯の
ひとつの青い照明です
詩集「春と修羅」序の冒頭部分。作成は大正十三年一月となっている。
法華経に傾倒していた宮沢賢治が、自費出版した初めての詩集である。
もっとも賢治は詩集とは云っていない。「心象スケッチ」と呼んでいる。
冒頭の9行に、賢治の宗教観・世界観を意図的に込めたように思っている。
仏教の核心部分でもある。
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