土曜日, 7月 15, 2006

酒見賢一「後宮小説」とサバンナ

新宿歌舞伎町のカクテルバー「サバンナ」に学生時代から通っていた。10年前は営業していたが今はどうなっているのだろう?マスターも60をゆうに越えているはずだ。「酒見賢一」の名前を聞いたのはマスターの吉岡さんからだ。30歳の時、外資で働いていた時代だ。常連の新潮社の編集者がデビューしたての新人作家を連れてきて飲んだらしい。その新人が酒見賢一である。編集者は酒見賢一の才能を絶賛した上で、マスターに処女作を是非読むように勧めたとのことだった。それが「後宮小説」である。いきさつを聞かされた私は強く印象に残り購入した。表紙デザインもそれっぽい絵柄で妙に惹きつけられた記憶がある。まあ、それ以上に、「腹上死であった、と記載されている。」この書き出しは印象強かった。
月並みだが、一気に読破して希にみる才能だと思った。途中、「女は子宮で考える」という下りがあり的を得ていると感心もした。後にNHKでアニメ化され一躍全国区になった。35歳の時、久留米地区の顧客に酒見姓が多いことを知った。いかした姓である。サバンナのマスターと思い出が重なるこの小説、近くのGEOで百円で売られていた。サバンナで数多く飲んだカクテルの種類と味を思い出しながら再び読むことにする。きっと新しい発見があるだろう。

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