炎(ヒ)と氷・・・闇金融の世界を描いた傑作
550ページの小説であるが昨日一気に読んでしまった。
闇金融界の非情さと主人公世羅が吐き出す熊本弁が妙にマッチしている。そして何といっても暴力シーンと性交の描写は臨場感抜群で迫ってくるようだ。緻密なストーリーも相まって読み出したら止まらなかった。何ともリアルな小説である。読みながら汗が粘液となり血液が体中を走り回った。そう、2年前に読んだ「血と骨」の主人公金俊平に世羅は似ている。作者は金融コンサルタント業のかたわら作品を発表しているらしいが、どっぷり浸かった業界人でなければここまでの小説は書けない。世羅の熊本弁はネイティブで、恐らく作者も熊本の人だろう。生まれて初めてストレートな熊本の隠語が出てくる小説を読んだ。
2 件のコメント:
本の表紙の絵が河鍋狂斎の地獄絵みたいで迫力がありますね。
私が子供の頃騒がれた「ネズミ講」事件は熊本から生まれました。「天下一家の会」も熊本です。トイチの金融業者も熊本では多く摘発されています。未だに闇営業しているのでしょう。知られていないですが、熊本の実態です。
コメントを投稿
登録 コメントの投稿 [Atom]
<< ホーム