出勤途中や移動中に女子高生達と遭遇することがままある。他愛もない会話で盛り上がる子や携帯で無心にメールしている子、参考書を開いて目を落とす子、もたれかかってあくびを繰り返す子など様々な情景に出会う。彼女達の大半は卒業と同時に進学して数年後に就職していく。
さて、福岡都市圏の経済は日本全体の10%経済、あるいは大手の支店経済という表現で形容される。もちろん、九州の商業中心地として繁栄している事実はその通りだ。
女子高生達の将来を実体経済と重ね合わせると、毎年送り出される卒業生のうち無事に就職できるのは何人だろう?と考え込んでしまう。 12年前、女子社員の欠員補充のため女子短大に求人票を送付して面接を行ったことがある。1名の募集に対して集まった学生は30人を越えていた。当時より景気回復していると仮定しても就職難の解消にはほど遠いだろう。当時と違って『派遣社員』の活用が一般的になり、生活防衛と子育て支援の風潮から寿退社や出産退社は激減した。新卒女子の求人(特に地元に残る短大卒)は明らかに減少している。 最初から派遣会社で働けるのであればマシな方と捉えた方がよい。下表は昨年の調査結果である。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・<厚生省_平成18年11月の調査発表>・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
| 平成19年3月卒業予定者数 ・大学 | 53万2千人 | ・短大 | 9万3千人 | ・高専 | 1万人 | ・専修学校 | 28万1千人 | | ○ | うち就職希望者数 ・大学 | 39万6千人 | ・短大 | 7万4千人 | ・高専 | 6千4百人 | ・専修学校 | 26万5千人 | | ○ | うち就職(内定)者数 ・大学 | 26万9千人 | ・短大 | 2万4千人 | ・高専 | 6千1百人 | ・専修学校 | 12万5千人 | |
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興味深いのは、最初から就職をあきらめている人数だ。進学するのは一握りだろうが、裕福な家庭の子は留学をするかもしれない。まぁ。この数字は私が云うところの『昼職』の調査結果である。在学中から手っ取り早く稼げる『夜職』で働く学生も多くいる。・・・・・・・無邪気に笑い合う女子高生達、近い将来『昼職』か『夜 職』、もしくは扶養継続の一時労働者、さらには『引きこもり』のいずれかに篩い分けされることになる。現実と向き合って逞しく生活していける克己力と適応能力が求められるだろう。自然淘汰は人間社会に益々浸透していく。他力を期待することは自力を弱めることに他ならない。・・・彼女たちが『自力に勝る』社会人にならんことを、微笑ましく見つめながら『ただただ願う』のみだ。
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