『カオス』・・・・梁石日_作品
2打目さんが送って下さった梁石日(ヤン・ソギル)の小説です。歌舞伎町を舞台にした氏の小説を読んだのは2作目となります。在日韓国人の青年2人と女以上に女らしいオカマ、台湾人・中国人マフィアが登場し『風林会館』が実名で登場します。バブル真っ盛りの頃、勤め先が新大久保の当時最先端の設備を誇っていたオフィスビルにあり、大久保のホテル街や職安通り、外国人が闊歩する描写は18年前の記憶を蘇らせてくれました。当時は韓国人街にはなっていませんでしたが、台湾人・フィリピンをはじめとする東南アジア人・南米ヒスパニック系と既に人種の坩堝化していました。
それにしても作者の情景描写は繊細かつ巧みで映画の1シーンを観ているかのようにイメージ化されてきます。その観察力と表現力は、零細印刷業の社長からはじまり喫茶店のマスターやタクシー運転手に至るまで転々とした職歴と、青年時代に詩人として活動していた事実、3つ目に在日2世として誕生した苦悩が生み出した希有の才能であると思います。
2 件のコメント:
新大久保にあったのですか?
私も氏の「血と骨」のあちらの描写にはかなり興味をそそられました。
2打目さん、16階建てのKビルという所でした。オーナーは「あんパン」の元祖「木村屋」です。バブリーな造りでした。このビルには当時ドラクエが大ヒットしていたエニックスもありました。懐かしいですね。
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