『私の個人主義』_夏目漱石講演集
学生時代に感銘した文庫本を見つけ思わず購入した。四半世紀前になるけれども、ハッキリと覚えていた。目から鱗が落ちたと形容したいほど感激したのは「道楽と職業」という最初の講演である。以降、日々繰り返される社会現象の見方が変わった。現在も続いている。生涯変わる事は無いだろう。
『あなた方は博士というと諸事万端人間一切天地宇宙の事を皆知っているように思うかも知れないが全くその反対で、実は不具の不具の最も不具な発達を遂げたものが博士になるのです。(中略) 博士の研究の多くは針の先で井戸を掘るような仕事をするのです。それを世間ではすべての方面に深い研究を積んだもの、全体の知識が万遍なく行き渡っていると誤解して信用を置きすぎるのです。』
PS.当時200円で購入したように記憶しているが、現在は660円に値上がりしていた。
紙代が高騰したわけではなく通貨価値が下落してインフレになったわけでもないのに、この金額差は何だろう?? 学生達や若い読書家を書物から増々追いやってしまう。・・・いや、彼等が追いやってしまい全く読まれなくなって単純に値上げされたのか? いずれにしても不幸な話だ。
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